私たちの本当の力を引き出す方法　『PEAK PERFORMANCE 最強の成長術（ブラッド・スタルバーグ、スティーブ・マグネス）』

□はじめに
□燃え尽きた人々
□最高の休息法
□燃え尽き症候群の特効薬
□おわりに
□備考

□はじめに

皆さま、お疲れ様です。

本日のテーマは、「ラグビー日本代表」です。

アジア初のベスト8進出を決めたラグビー日本代表。いやー、かっこいい！

十数年前、高校時代に私もラグビーをやっていましたが、ここまで盛り上がるとは、想像もつかなかったです。完全にドマイナースポーツでしたからね(笑)

2015年の南アフリカ撃破から、次々に強豪をなぎ倒し勝利を重ねる日本代表。

この勝利の流れの根幹を作ったのが、エディー・ジョーンズ元ヘッドコーチです。

「成長をするためには、まずはストレスを与えることが必要です。人に対して、チームに対して常に課題を突き付け、チャレンジさせる。

　そしてもうひとつ重要なのが、休息です。常にストレスを抱え続けていると成長はありません。ストレスを与えた後には、休息によってリカバリーする余裕を与える。この2つのバランスをとることがリーダーにとって必要となります」

number.bunshun.jp

「ストレスを与え、休息でリカバリーする」。言葉でいうとシンプルですけど、とても大事です。

皆さまはちゃんと休息、取れてますか？

私は、うつ病になったり、不眠症になったりと、取れてませんでした(笑)

ちゃんと休息を取らないとどうなるか……というわけで、本日の書籍紹介がこちら！

PEAK PERFORMANCE 最強の成長術

（ブラッド・スタルバーグ、スティーブ・マグネス）

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□燃え尽きた人々

まず著者の一人、ブラッドは敏腕コンサルタント。

彼はマッキンゼーに入社後、すぐに頭角を現し、医療改革の影響を予測するモデル作成という大プロジェクトを任されることになりました。

睡眠を犠牲にして病院に行く時間もなく、手足はいつも冷え、働かないと不安になって眠れなくなる時もあったそうです。

でもその成果もあって、23歳にして、正確な医療改革モデルを完成させました。

国内の保険会社や病院がこぞって採用し、更には、法律を制定する際の助言が欲しい、とホワイトハウスに招き入れられこととなったのです。

もう一人の著者はスティーブ。彼は優秀な陸上選手でした。

その練習は病的で、パーティもデートも行かず、クルーズツアーに参加した時も甲板を目眩で走れなくなるまで走るわ、暴風雨や酷暑でも、家族に緊急事態が起きてもトレーニングする、というもの。

18歳でプロ選手と一緒に国内有数の大会で走り、高校生レベルでは当時の国内最高、米国史上6番目に早く、ジュニア部門では世界で5番目に早い選手となりました。

分野は違えども、将来を有力視された2人。

しかし、その栄光は、すぐに崩壊することとなりました。

「燃え尽き症候群」を経験したのです。

（心因性うつ病の一種。極度のストレスがかかる職種や、一定の期間に過度の緊張とストレスの下に置かれた場合に発生することが多いと言われている。（wikiより））

コンサルタントはホワイトハウスを去り、それ以来一度の昇進もありませんでした。

陸上選手は最高記録を更新して以降、1秒もタイムを縮めることが出来なくなりました。

彼らは自らのステージを去ることとなったのです。

それから時が経ち、彼らは出会い、語り合いました。

「前と同じ失敗を繰り返さずに、最高のパフォーマンスを維持する方法はあるか？」

それが本書のテーマです。

……いやぁ、めっちゃ怖いっすわ……

でも、私も彼らにはすごく共感できるのです。

私も学生時代強くなりたくて、必死にトレーニングして、OBのしごきに耐えました。

仕事でも、「このままじゃダメだ！もっと頑張らないと、このご時世、生き残れない！」と自身を叱咤激励して、入社3年で係長になった(部下はみんな40〜50代でした)し、人がドンドン辞めていく中、彼らの仕事を一手に引き受けて業務を回していました。

……私はうつ病になり、一時期良くなっては、また限界が来て再発するのサイクルを繰り返しました。そうやって10年。

結局３回退職をするハメになったのです。

その末路が、現在の私ですので、共感しかないですね(笑)

さて、話が逸れましたが、社会で身体を壊したことがある人というのは、

①何かを得たければ、必死に頑張る。

②そして身体を壊さないため、また良いパフォーマンスをするため、休息を取る。

の2点はご承知の通りだと思います。

でも、うまく心身を休めることが出来ないから、身体を壊してしまう。

(ていうか、私です)

そこに加え、③具体的にどのように休めれば良いか、をご紹介します。

□最高の休息法

まず作中で紹介されているのは、マインドフルネス瞑想法。

これによって、精神のオンとオフを切り替える事が出来ます。

①できれば静かな場所に行き、楽な姿勢で座る。

②鼻から深く息を吸って、鼻からゆっくりと息を吐き出す。これを数回繰り返す。

③呼吸をいつものリズムに戻し、呼吸するときの感覚に集中する。呼吸する度に、おなかが上下に動くのを感じ取る。つい考え事をしてしまったら、それに意識を向けた後、再び呼吸のリズムとその感覚に注意を向ける。

④時間を気にしなくて済むよう、タイマーを掛ける。1分間から初めて、徐々に瞑想時間を延ばす。

（第4章より）

皆さんの中で、「マインドフルネス」というものをご存じの方は多いと思います。

もともと仏教由来の瞑想法で、仕事の緊張モードを解いて、スムーズに休息モードに切り替えられる、という点からグーグルで正式採用された後、アメリカ全土に広がり、ついにはアメリカ国防総省（ペンタゴン）にも取り入れられたそうです。

私も瞑想を初めて7～8年ほどになりますが、マインドフルネス瞑想は、初心者が始めるのにうってつけです。

あと、どうしても頭の中の声（雑念とかイメージとか）が大きくて集中できなければ、ひたすら頭の中で「ア～～～～～～」と呼吸に合わせて発声し続ける瞑想もオススメです(笑)

他にも本書では、

・散歩をする

（野外で6分散歩すると、創造力が60％アップ）

・風景写真を眺める

（炎症を抑える効果がある）

・ボディスキャン瞑想

（生理的機能回復）

・人と交流する

（テストステロン値が高く保たれ、疲労回復効果がある）

（第5章より）

などが挙げられています。

□燃え尽き症候群の特効薬

アダム・グラントは教師から看護師まで多種多様な職業に言及しつつ、「お返し」することは、燃え尽き症候群の特効薬としても非常に効果が高いと論じている。

（第8章より）

この「お返し」とは、人助けのことです。ボランティアでも指導でも何でもよいですが、とにかく人を助けることに集中するのが基本となります。

（復讐的な意味のお返しじゃないからね！(笑)）

――実際、教師や看護師に直接人助けする機会を与え、自らの努力が良い結果に結び付いていることを確認させると、燃え尽き症候群になる確率が減るという。

　著書の中でグラントは、「誰かの人生に影響を与えていると実感すると、ストレスが減って疲弊しにくくなる」と述べるとともに、ストレスの多い仕事に従事する人は、個人的な方法で「お返し」する機会を探すことを勧めている。

（第8章）

お返しと言えば、ラグビーではこの人、リーチマイケル主将です。

www.mbs.jp

日々ハードな練習をこなしながら、代表31人中15人が外国人という環境を治めている。

また彼のエピソードは目的意識、という面からも非常に示唆に富んでいます。