求道者の平穏への道標

うつ病歴約10年、退職3回した私が、「平穏な人生を歩みたい!」と手探りで進んでいく記録。自己啓発、ビジネス書の感想メインです。

毎日のプレッシャーの中で生き抜くための叡智 『防衛大式 最強のメンタル』 (濱瀉 好古)


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□はじめに

 

 皆さま、お疲れ様です。求道者です。

 

台風被害のニュースが連日報道されていますね。

被災者の方々がいち早く元の生活に戻れますよう、お祈り申し上げます。

 

さて、本日の話題は「自衛隊」。

今回の台風でも自衛隊が派遣され、先日には「即応予備自衛官」と「予備自衛官」が召集される方針が決まったそうです。

 

www.asahi.com

 

被災者を助けるために、休みもなく働き続ける自衛官の皆さま……なんとタフで格好良いのでしょう!

 

間違いなく、自衛隊は日本最強組織の一つです。

 

昼夜を問わない任務は過酷そのもの。

そのハードな環境を乗り越える、彼らの強さは一体どこから来るのでしょうか?

 

ということで、本日ご紹介する本はこちら。

 

 

 

防衛大式 最強のメンタル

(濱瀉 好古)

 

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最前線で日本を守る人材を育成する防衛大学校

そこは1か月で脱落者が多数出るという、日本一過酷な大学。

逆境に立たされたとき、心が折れそうになったとき……。

ここに乗り越える秘訣があった!

(表紙カバー裏より)

 

 

 

著者の濱瀉先生は、防衛大学校を卒業後、海上自衛隊幹部候補生学校を経て、IT系ベンチャー企業に営業職として入社、という異色の経歴の持ち主。

 

濱瀉先生の過ごした防衛大学校は、どのようなところだったのでしょうか。

 

――軍隊に近い厳しい規律の下、将来のリーダーを育てるべく徹底的に鍛えられる。特に1学年は休日関係なく24時間体制で上級生に指導を受ける。1学年に息をつく暇はない。分単位で定められたタイムスケジュールの下、1日1日を全力で生活する。

(中略)

手を抜こうものなら安泰の生活はなくなる。場当たり的な「気合」や「根性」といったもので乗り越えられるほど甘いものではなく、常に考え、行動を変え、結果を出し続けなければならない。

(はじめに より)

 

防衛大は毎年4月1日が着校日で、4月5日までの5日間は「お客様期間」と呼ばれ、防衛大での実際の生活を体感する期間となる。

(中略)

指導される2学年の姿を見て、最初の5日間で40人ほどが自主退校していく。

(はじめに より)

 

――この日朝点呼の集合に遅れようものなら、体力錬成という名の下、腕立て伏せやらを行わされた。私が在籍していたころは、多少なり体罰指導があったため時間に遅れたりしようものなら上級生からの指導は悲惨を極めた。

(第一章 より)

 

――清掃道具を取りに部屋に戻るわけだが、そこで目にするのは解体されたベッドや窓から放り投げられた毛布やシーツだ。日朝点呼が行われている間に上級生が毛布、シーツをきれいにたたんでない学生にこれらのことを行う。

(第一章 より)

 

 

 

1個ミスする度に指導が入り、ベッドを直してシーツを取りに行って、また次の時間に間に合わなくなったら指導が入り、また予定が遅れて指導が入り……。

 

ブラックってレベルじゃねえぞ!

常在戦場、ここに極まれり、って感じですね。読んでるだけで胃がキリキリしますわ……。

(昔、大学の部活の合宿で4日間、寝る間を削って先輩方から「ありがたいご指導」を受けたことがありましたが、それ以上を4年間ですもんねぇ……。)

 

こんな過酷でストレスフルな環境の中、著者がどのように生き残って卒業していったのか。

その知恵を見ていきたいと思います。

 

□失敗しても死なないが、不眠症になれば心身を損なう

 

私自身も常に不安や心配を抱えていた。

不安や心配は心が折れる一番の原因だ。

プレス(※アイロンがけのこと)を完璧にしたつもりでも、もしかしたら指導されるかもしれない。靴は完璧に磨いたが、これまた指導されるかもしれない。ベッドを完璧にメイキングしているが、部屋に戻ったらベッドが解体されているかもしれない。不思議なもので、一旦考えてしまうと、ずっと考えてしまう。何を隠そう元来不安症の人間だ。

 不安と心配を抱え続けると、どんな人も心が壊れる。不安と心配は人から気力と体力を奪う。

(第4章 より)

 

 

 

わかりみが深すぎー!

毎日1か月以上罵倒され続けて、不眠症からの退職をした身としては、もう「リツイート」と「いいね」しちゃって、私もです!みたいなクソリプ飛ばしたいくらい同意。

 

著者がこの不安の無限ループから抜け出せたのは、「仏」と呼ばれる上級生のアドバイスがあったからでした。

彼は、一学年時は著者よりもダメダメで、毎日忘れ物をして(しかも必携品全部)、指導の嵐。ベッドを1か月もの間、解体され続けたそうで……。

そんな仏に、筆者は「1学年時にそれだけ指導されていて心は疲れなかったのですか」と質問しました。

 

「疲れるときはあった。でもそんな時は、何も考えずに爆睡する」と言う。

「交友会(必ず参加しなければならないクラブ活動のこと)」活動時間にいつも以上の負荷をかけて夜は爆睡すると言う。

さらに、「指導されるといっても命まで取られることはない。だから、爆睡して一旦心も体もリセットする」

(第4章 より)

 

 

 

仏、豪胆すぎる(笑)

でも、正論ですよね。手が止まると、脳みそはずっと不安を垂れ流してきます。そうなれば後は底なし沼にハマるが如し。立派な不眠症患者の出来上がりです。

 

睡眠をしっかりとれないと、パフォーマンスが悪化して失敗を量産します。そこからまた不安が広がって眠れなくなり……という負のループ。

そうならないためにも、無駄な思考を止めるためにも、体をしっかり動かして、夜はしっかり眠ってリセットしなければなりません。

 

どうせ不眠症になれば、1週間も立たない内に心身ともにボロボロになるのですから、「失敗しても命まではとられない」と開き直って、トレーニングで追い込んで眠るのが正解ですね。

 

 

□失敗したら、どんなことでも良いから1つ変える

 

防衛大の風習として、廊下で上級生に会えば敬礼し、「おはようございます」「こんばんは」と挨拶しなければならない。

もちろん忘れれば、容赦のない指導が入る。

 

朝晩の容儀点検(服装検査)のために廊下で靴を磨く必要があるが、その際にも上級生が来たら、気づいて挨拶しなければならない。

だが、下を向いて靴を磨いているのだから、気づくのは難しい。

 

著者は何度もその欠礼(敬礼と挨拶を欠かす)を繰り返したおかげで、ブチギレた上級生に呼び出されて1時間ほど指導を受けた。

 

「お前はどうして欠礼するんだ?俺のことをなめてんのか?」

「いいえっ」

「是正するつもりないんだろ?」

「いいえっ」

「じゃあ、何を是正した?」

「……」

 何も答えられなかった。自分では是正しなければという気持ちはあるのだが、あれやこれやと追われ、全く是正できていなかった。そんな私を見かねたのか、それまで厳しく私を指導していた上級生が一言アドバイスしてくれた。

「生活が厳しすぎて余裕をなくしてるんだろ。指導されたら、是正しようとしても余裕がないからただアタフタしてるだけだ。ただ、それではいかん。指導されたら何でもいい、小さなことでもいいから何か一つだけ変えてみろ

(第5章 より)

  

……私も、何か指摘されるとすぐにテンパっちゃうタイプなので、よくわかります。というか、極論を言えば、心に余裕があればミスなんてしないし、ミスしても改善は容易なのです。

 

でも、実際働いている中で、余裕なんて一切ない訳です。

そんな中でどうするか――小さなことでもいいから、何か一つだけ変えるのです。

 

ちなみに著者はその後、片方の靴を磨いたら、近くに上級生が居ないか確認してから、もう片方を磨くように心掛けたことで、指導が減ったそうです。

 

何か一つだけアクションを起こす、というくらいなら負担も小さい。それでもその一歩は、アームストロング船長の如く、業務改善に対して大きな一歩となりえます。

 

……ちなみにコレ、反対に、会社運営側の立場で考えると、大きな気づきがありますね。

それまでのやり方から大きく変えるようなやり方は、限界までやっている社員を振り落とす結果となりかねない、ということです。

(実際に前に勤めていた会社で、社内改革に大失敗し、人がドンドン辞めていってしまったことがあります)

 

改善は細かく、それでも着実に行っていくのが正解のようです。

 

 

□おわりに

 

いやあ、2例のみの紹介ではありましたが、なんとも骨太な内容でございました。

 

最後に、あとがきからの引用を、ご紹介します。

 

うまくいくかどうかわからないこの世の中だからこそ、まずは考え、行動だ。

この考え、行動をする瞬間にもメンタルは強くなっている。

防衛大時代に何よりも強く指導されるのは何も行動しない1学年だった。

(あとがき より)

 

 

 

今回の台風もそうですが、災害、戦争……そこまでスケールは大きくなくとも、日常的なトラブルは、私たちを待ってはくれません。生きること自体が、常在戦場そのものでしょう。

 

そんな中でも、私たちは生き抜いていかねばなりません。

苦難を乗り越え、最適な行動を取る。

 

それを行うための英知が、この本に詰まっています。

 

やることに追われている人、テンパっている人、気合を入れたい人に是非ともオススメします。

 

 

では、また次回。

 

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