求道者の平穏への道標

うつ病歴約10年、退職3回した私が、「平穏な人生を歩みたい!」と手探りで進んでいく記録。自己啓発、ビジネス書の感想メインです。

84歳の老害が招いた、フランスの敗北 『最強の成功哲学書 世界史(神野 正史 )』


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皆さま、お疲れ様です。求道者です。

 

本日の記事のテーマは、「時代の流れに乗れているか」です。

 

□はじめに

 

もう1か月遅れのニュースにはなりますが、内閣改造により、IT大臣として竹本直一氏(78)が初入閣されました。

 

ええ、78歳。

すげえなぁ……。日本人男性の平均寿命が「81.09歳(厚生労働省、平成29年)」だと言われているのにも関わらず初入閣。

更には、IT担当大臣だというのだから驚きです。

 

 メディアからは下記のように書かれてます。

 

 

 

「レベル感の違いがすごい」78歳のIT担当相が爆誕→台湾の38歳天才プログラマーIT大臣が話題に-Buzz Feed News

https://www.buzzfeed.com/jp/harunayamazaki/reberunoigasugoi78noitgano38puroguramaitgani

 

うん、まぁ、ごもっとも。

 

 また昨年のニュースですが経団連の会長が、パソコンのメールを使いだした、なんて記事もありましたね。

 

news.livedoor.com

 

はっはっは、IT後進国どころじゃねえぞ……orz

 

……さて、気を取り直して、本日の書籍の紹介と参りましょう。

 

――愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。

  (ドイツ宰相、O・ビスマルク

(まえがきより)

 

 

 

最強の成功哲学書 世界史

(神野 正史 )

 

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賢者は歴史に学ぶ、の言葉の如く、15人の歴史上の人物から学んでいこうという趣旨の本になります。

 

この著者の神野先生が、これまた文章の上手な方で、歴史上のエピソードを軽快なテンポで、スイスイ読めちゃいます。

 

登場する歴史上の人物も、有名なナポレオンから、あまりメジャーではない小モルトケまで、彼らの成功と失敗における教訓を教えてくれます。

 

私の特にお気に入りのエピソードが、東ローマ帝国の皇帝・ヘラクレイオス1世です。

 

交戦中だったサーサーン朝ペルシアに、各地の軍が敗退し、パレスティナやエジプトが奪われ、ついに帝都コンスタンティノープルまで敵が迫る!

 

ラクレイオスは、もう駄目だ、と諦め亡命しようと財宝を船に積み込みます。

ですが、その船も財宝の重みに耐えかねて、転覆してしまいました……。

 

絶体絶命。その言葉が相応しい中、ヘラクレイオスは叫びます。

 

――おお!なんたることじゃ!

  これは“神の御意志”であろうか!

  神は「逃げてはならぬ」と仰せか!

  帝国を異教徒どもから守るべし、と!

(第9章 小さな躓きは神の助言より)

 

迷いを消したヘラクレイオスの反撃が始まります。

――彼は、6年かけて失った領土のほぼ全てを奪還するに至りました。

 

と、ラノベばりの無双っぷりを発揮するわけです。

詳しくは本書をご覧いただきたいのですが、神野先生の文体もあり、胸アツなストーリーになっています。

 

 

□WW1「救国の英雄」、WW2「死刑判決の売国奴

ですが、この本はヘラクレイオスのような逆転劇ばかりではありません。

今から紹介する「フィリップ・ペタン(フランス、1856-1951)」のような転落の人生を歩んだ人物も紹介されています。

 

第一次世界大戦中、ドイツはフランスの北東部を破竹の勢いで、占領していきます。

そして、首都パリの最終防衛線ヴェルダン要塞を包囲しました。

(ヴェルダンが抜かれたら、パリ陥落、フランス滅亡です)

 

そんな大ピンチを救ったのが、ペタンでした。

彼は、敵にわざと防御地点を突破させ、調子に乗って押し寄せてくる敵軍を、逆に包囲し壊滅させる戦法を取りました。

おかげで、ドイツ軍を敗走させる事が出来たのです。

 

フランスは救われ、戦争勃発時は大佐だったペタンは、元帥まで上り詰め、なんと64歳にして22歳下の奥さんまでゲットします。

 

……ここで終われば、彼の人生はハッピーエンドだったのですが、彼は陸軍最高顧問として軍事に口を挟み続け、巨大要塞「マジノ線」を構築します。

 

そして、時は流れて20年後、第二次世界大戦が勃発。

結果を本文から引用します。

 

人間は年を取れば取るほど、新しいものを受け入れる能力が衰え、過去の古いやり方がそのまま未来にも通用すると思い込んでしまいがちです。

それが「老害」です。

(省略)

同じ手が通用するのは、敵がよほどのマヌケの場合だけです。

しかも、要塞というものは、爆撃機が存在しない時代の遺物です。

空から雨あられと空襲を受けたのでは、要塞は護り切れるものではありません。

ペタンはそうした時代の動きが見えない“老害”そのものとなっていきましたが、イメージ先行の国民はペタンに期待し続けるという悲劇が生まれていました。

(第6章 方針貫徹か、転換か)

 

ペタン元帥(当時84歳)は、ヒトラーの元に屈しました。

 

1940年6月14日、ドイツ軍はパリに無血入城し、ペタンは6月16日にドイツへ休戦を申し入れます。

それから1944年以降に連合軍によってドイツ軍が追い払われるまで、フランスは占領され続けました。

 

最後に、戦後、ペタンが「売国奴」として裁判にかけられたときの言葉を引用します

 

――ヴェルダンの功によって、私の軍事的精神は鎖されてしまった。

戦後、新しい道具、新しい兵器、新しい戦術が次々と発明され、導入されていったにもかかわらず、私はそれに無関心だったのだ。

(第6章 方針貫徹か、転換か)

  

□おわりに

 かつての英雄が、以前の栄光に囚われ、国家を巻き込んで失脚する。

このフランスの末路と、今の日本がダブって見えます。

……もう、なんというか、頭抱えたいですよね!(泣)

 

時代に取り残されれば、蹂躙される。

それは戦争だけでなく、経済においても言えることでしょう。

このことこそが、私たちが歴史から学ぶべきことなのかもしれません。

 

皆さまも、日々、自分のスキルを磨かれていることと思います。

国家が頼りにならない時こそ、個々人が時代に残されぬよう努力していかねばならない、と気を引き締められた求道者でございました。

 

 

では、また次回。

 


 

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